*** ハンドドラムのマカーム ***
       〜目指すマカームとは〜
                     小林 八千代
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マカームとはアラブ音楽では「音階のような音の並び」のこと
「音として生じた時点でイカー(リズム)はマカームに依存する」
          ↓
「音程・調・音色を持った音楽に変わる」

■TARとはペルシア語で「音」「弦」を意味する

      

 タールの中心を通る弦が1本張ってあると想像すると…
 これが1tar(1音、1弦)である。
 半分のPoint 1/2tarはオクターブ上の音が得られる
 Pointには他に1/4、1/8tarなどがある

  *このPointとは倍音が特に響くハーモニクス・ポイントのこと

すると、この太鼓は「弦の無数の集合体」
         「線→面になったもの」と考えることができる
            ↓
        いろんな倍音が鳴る

      

☆打点位置の変化やD音・T音を組み合わせることにより、
 メロディのような響きが得られるのである


■左手の使い方
・チョーク…皮の張りを調整して、調・音程・音色を変えることができる
・ミュート…響きの調整で音色を変える
      ピアノでいうペダル
      指0本(オープン)〜指4本(クローズ)

■右手の使い方
・たなごころ(掌)で押さえながら叩く
 ギターのフレットのような役目で、弦の長さを変える
 音程・音色を変えるのに有効


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木々のざわめき、鳥や虫の声、動物の足音…
私たちの周りには自然が織り成すメロディやリズムに満ち溢れている

たとえば声…
人それぞれにキーは違うけれど、同じ音程でしゃべることは無い
イントネーションの上がり下がりがあり、
気分によって高くなったり低くなったり…
風の音や羽のはばたきも速く振動すれば高く、遅く振動すれば低くなる

これらのメロディをピアノのように
西洋音階に当てはめようと思っても当てはめることはできない
なぜなら、自然界に存在するメロディが
西洋音階のようにきっちりと割り切れるはずがないのである

ハンドドラムにも径の大きさ、皮の張り具合によりそれぞれにキーがある
しかし、先ほど述べた方法により
微妙な自然のメロディを奏でることができるのである

ハンドドラムは木枠に皮が張ってあるだけのとてもシンプルな太鼓である
おそらく原始時代のころの形そのままと思われる
この皮の響きには私たちの心の奥深く…
潜在意識やDNAを直接刺激する力があるように思う
(現在はファイバースキン製のものが多いが、
 非常に皮に似た音質・音色を持っている)
以前に和紙皮のハンドドラムを叩かせて頂いたことがある。
音色がとても優しく、さらっとしている
これはこれで良いのだが、動物の皮とは音の重みが明らかに違う
動物の皮は、生き物の音がするのだ
命の響きである
原始的・神秘的な何かがそこにはある

「音によって世界は創られた」という天地創造の伝説はたくさんある
エジプトではトート神(THOTH)が声によって世界を創ったと信じ、
ペルシアやインドの哲学的思想では、
宇宙は音響的実体から創り出されたと考えられている
人間は音を超自然的起源を持つものと考え、
見えないけれども存在する世界との交流の手段としていた

また、楽器を奏でる者は自己とその楽器とを同一視し、
楽器は身体の延長であり、
その人間の内部発動的衝動を音に変え、それを開放するものである

 * この内部発動的衝動とは自分ではコントロールできない
  神憑っている状態のこと

以上のことから

☆「ハンドドラム」と「奏でる者」が一体となり、
 人間の領域を超えた世界を「音」に表す

これこそが目指すハンドドラムのマカームである

ありがとうございました

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