Hand Drum Workshop&Seminnar presented by Hand Drum Masters

■人間の創造(シュメール)

 この世の始めに、まず天と地が双子のように生まれました 次には天神アンと、アヌンナキ(神々の集団)がつくられました 次には母神から、多くの女神たちが生まれてきました 天と地は切り離され、地上にはイディグナ(ティグリス)川と ブラヌン(ユーフラテス)川がつくられ そのまわりにはたくさんの運河が掘られました  天上には大神たちと、アヌンナキの神々が座って これから何をしたらよいかを話しあいました 大神たちとは、天神アン、大気の神エンリル、太陽神ウトゥ、地と水の神エンキで このなかではエンリルが強い権力をもっていました  まず大神たち、とりわけエンリルが、アヌンナキにたずねます 「天と地がつくられ、イディグナ川とブラヌン川が定められ  その堤防と運河がつくられたが、これからどうしたらよいだろうか  次にはなにをつくり出したらよいだろうか」 アヌンナキの神々、とりわけ二柱の神がエンリルに答えます 「<天地の紐*1>であるニップル市の聖殿ウズムアで  二柱のラムガ神(細工の神)の血から人間をつくり出すのです  そうすれば、神々がやってきた仕事を  これからは人間たちがやってくれるようになるでしょう  人間たちは運河を掘ったり、土地を分けて、鋤で掘ったり  籠をもって収穫をしたり、神々の住まいを建てたりしてくれるでしょう  人間たちは畑をつくり、国土を豊かにし、たくさんの穀物をとり入れ  神々の倉庫を豊かにしてくれるでしょう  あなた方は最初の男をアン・ウレ・ガル・ラ、最初の女をアン・ネ・ガル・ラと名づけるのです  人間たちは、牛や羊やその他の獣たち、魚、鳥などを国土に増やすでしょう  神々のための祭りを正しく行ない、神殿を正しく保ち、冷たい水を奉げるでしょう  エンリル神の父母神であるエンウル神とニンウル神の浄らかなご命令を引き受けるでしょう  主権者たるにふさわしい女神アルルは人間たちをつくり、そして導くでしょう  賢者という賢者、愚者という愚者を、大麦のごとく自生的に大地から萌え出させるように  昼も夜も神殿で神々のために祭りを行なうように」  それから大神のアン、エンリル、エンキ、ニンマフたちは、人間がつくられた場所に 女神ニダバ(穀物、書記術、学問の女神)を守り手として配しました
 *1 天地の紐(ドゥル・アン・キ)…紐で結ばれていた天地を引き離そうとエンリルが紐を切った際に   大地に大きな傷ができ、それを縛ると、その傷から肉が盛り上がり人間ができたという物語に   由来する表現である。ウズ・ム・アとは「肉を生むところ」の意  この物語では人間は神の血から創られたと書かれてるが 他のシュメール説話は土からの人間創造を伝えているものばかりである シュメール人は元来人間は土から創られたものと考えていたかもしれない (すると、この原文はアッシリア版なので、バビロニア風に変えられてある可能性もある)  この粘土板は縦37cm、横22cmでそれぞれ3つの部分に分けられている 中央の欄には新アッシリア時代の整った文字でシュメール語のテキストが記され 右欄はそのアッカド語(当時の日常語)による訳が付けられている (しかし、その訳は原文に忠実ではなく、かなり自由に意訳されている) 左欄には’a-a-a-a-a'、'ku-ku-lu-lu'、'mas-mas-mas'など、くさび形文字で書かれている これが何を意味するのかは、まだ不明であるが、おそらくは音符あるいは歌い方の指示であろう そうであるならば、この物語は詠唱されたものということになる

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