Hand Drum Workshop&Seminnar presented by Hand Drum Masters

■洪水物語(シュメール)

 この物語は古バビロニア時代後期(紀元前第二千年前半)に作られたと思われる
創世記の「ノアの箱舟」やアトラ・ハシース物語(アッカド)
ギルガメシュ叙事詩(アッカド)のエピソードのもとになった物語である

  (最初の約三十六行、破損) 「私の人類を破滅から救いたい  ニントゥのために、私の被造物を破滅させるのをやめさせたい  人々を彼らの住家に私は戻してやりたい  町々を彼らは建てるだろう、それの陰でもって私は和やかにしてやりたい  家々のレンガを彼らは浄らかな場所に据えるように  <(物事を決める)決議の所>を浄らかな場所に彼らは設置するように  私は<浄らかな火>を整えよう。聖なる神力の儀式をとりおこなおう  大地は灌漑されるだろう。私はそこで安楽にしたい」 アン、エンリル、エンキ、およびニンフルサグが人類を造って以来 動物があらゆる地上に繁殖し 家畜や四つ足の(野生)動物が野原にふさわしいものとして存在してきました   (約三十八行、破損) 「私は彼らのご苦労な努力に目を向けたい  王権の聖なる王冠と王座とが天より降ってきたのち  五つの町を浄らかな土地に建設し、それらの名を名付け、<首都>として神々に配分した  これらの町の最初のものエリドゥを彼はリーダーであるヌ・ディン・ムド(創造者)のエンキに与え  第二の町バドゥティビラをヌギグ(女性神官の一種、ここではイナンナのこと)に与え  第三の町ララクをパビルサグ(エンリルの子)に与え  第四の町シッパルを英雄ウトゥ(太陽神)に与え  第五の町シュルッパクをスドゥ(シュルッパクとも読まれる)に与えた  これらの町に名前をつけて、<首都>として配分した  彼は毎年の洪水をおさえ、土を掘り水を通らせた  小さな川々の川ざらえをした   (約三十六行、破損) 浄らかなイナンナは大地にいる人間を哀れんで、悲痛の嘆きをあげました アンとエンリルとエンキとニンフルサグは 天地の神々は、アンとエンリルの名にかけて人類滅亡の件を誓ってしまいましたが エンキはこの決定に疑問を持ちはじめました その当時、王であり、グダ神官(聖油を扱う神官)であるジウスドゥラ(永遠に続く生命の意)は 謙虚に従順に、そして怖れに満たされながら 毎日欠かすことなく神を敬っていました 彼は祈りの最中に、神エンキのお告げを聴きました それは夢ではなく、まちがいなく現実でした エンキは壁を通して語ります 「私の諭しに耳を傾けなさい!  すべての住居の上を、<首都>の上を洪水が暴れすぎるであろう  人類の種を滅ぼすことが神々の会議の決定、言葉なのだ   (約四十一行、破損) 巨大な破壊力を持った大風と台風が一つとなってやってきました 洪水が<首都>の上を暴れすぎました それらは七日七晩、国中を脅かし、通り過ぎると 巨船が洪水の上を大風によってあちらこちらと吹き流されました そして太陽が登り、天地に光を放ちました ジウスドゥラは巨船に窓(穴)を開けると 英雄ウトゥは光を奥深くに差し込みました 王ジウスドゥラはウトゥの前にひれ伏しました そして牛と羊を犠牲として捧げました    (約四十一行、破損) 「あなたは天の生命と大地の生命をお呼びになる アンとエンリルは天の生命と大地の生命を呼んだ」 大地から萌え出づる動物が芽生えてきます*1 王ジウスドゥラはアンとエンリルの前にひれ伏しました アンとエンリルは神のごとき生命をジウスドゥラに与え 神の息吹のごとき永遠の命をジウスドゥラにもたらしました そして、動物と人類の種(子孫)とを救済した王ジウスドゥラを 海を渡った土地ディルムンの山、太陽の昇る土地に住まわせました   (以下、破損)
 *1 人間の創造(シュメール)を参照  残念なことに全体の四分の三以上が破損していて解読できないが 人類の創造や、王権は天から降ってくるもの、という古代メソポタミア人の思想が確認されると共に 大洪水前から存在していたといわれる五つの都市の建設と、それの神々への配分が描写されている

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