ハンドフレームドラム〜奏法のヒント〜 [戻る]

* 倍音の捉え方

倍音は正確なピッチ(音程)で重なると自然なメロディのように聞こえます。これをハンド(フレーム)ドラム上のマカームと呼びます。聞こえる音は、叩き方やリズムや場所によって様々です。またその音も太鼓から聞こえるのではなく、天上の方から流れるように降りて来ます。さらに聞こえて来る方向も必ずしも一定とは限りませんさてそんなイメージを頭に描きながら、もう一度トライしてみましょう

* ヴィジョンはパワー

人間は行動するときに、必ずあるイメージを持って行動します。 例えば 初めての目的地へ向かう場合 あの駅に行く→この電車に乗る→ここで降りる→その道を歩く→目的地 というように 頭の中で予め具体的なイメージを描いてから行動します この一連の連続するイメージをヴィジョンと言い、潜在能力を引き出し 集中力を高めてくれます。 またヴィジョンがないと方向性を失い、本来あるべき力も分散してしまいます タールを始める時も同じくこうした具体的なヴィジョンを持つことが大切です

* 共鳴

太鼓に顔を近づけて声を出してみるとある音の高さで声が響きますそれは太鼓と声が共鳴しているからですその音で(母音などで)歌いながら叩くとより音の広がりが得られて楽しいですよ

* Dum

Dumを響かすポイントは手の形にありますかならず指をそろえ、面で叩きましょう隙間ができると低音は逃げていってしまいます

* 左手

右手がある程度叩けるようになったら太鼓を支えている左手でも叩けるようチャレンジしてみましょう最初は音が出ないと思いますが気にせず、力を抜きながら動かしてみましょう裏の拍(左手)を感じるということがリズムを安定させるコツでもあります

* 脇をしめて

初心者にとって太鼓を持つことはとっても難しいですねどうしても余計な力が入り、やがて筋肉痛に…支えている方の腕の脇はしめるといいですよそして重心をとらえ、握りしめすぎないようにしましょう

* 繰り返すことが大切です

鍛錬を毎日繰り返すことによってリズムは潜在意識から深層心理に浸透します内なるものは繰り返すことで外へと伝わっていきます音は心を決め、それを繰り返すことにありますハンドドラム奏法は教えることはできますがハンドドラムは繰り返しから学んでもらうしかありません

* 軽さのタイミングを知る

倍音がたくさん鳴っている状態の時はハンドドラムの重量が軽く感じられますこれを知るには左指の力を常に抜いておくことです太鼓を持たない状態で構え持った時の重さを左手にイメージしてみましょう

* 手首の回転を加える

腕の振りだけでハンドドラムを鳴らそうとすれば鼓面を叩いた時にバランスを崩し大きく傾いてしまいますまた指先の力だけでは十分な響きは得られませんこの場合は手首の回転を使って打つと打面速度も早く挙動範囲を小さくすることができます柔軟な手の動きは、倍音を響かせる大切なポイントです

* 水の音

音を水としてイメージしてみましょう静かな水面に石を放りこむと波紋が広がります一度に複数の石を投げ込めば波紋同士が重なり合って複雑な線形を描き出しますそこへ陽が差すと水面に反射してきれいな光のモアレができますイメージが掴めたら、実際に外へ出て体験しましょう練習に疲れた時は、そうした息抜きをすることも大切です焦らずゆっくりと頑張ってください

* 指一本から始めましょう

ハンドドラムは力で鳴らそうとすると大きな負荷がかかり枠を支えている左指を痛めてしまいます。そんな時はひとさし指一本で練習をしましょう叩いた時に「ボーン」というように鐘のような低い音が鳴れば、初心者は卒業です

* 叩くことよりも聞くこと

ハンドドラムを始めたばかりの頃は、音が思うように鳴らず叩く方の手に意識を集中させてしまいます枠太鼓の場合は、他の打楽器と違って単純に叩いただけでは、あまり音が鳴りませんそんな時は、目を閉じて、鳴っている音を聞くことに集中しましょう

* 音は振動

太鼓は叩いた時に音が出るのではなく打った後に振動となって現れてくるものです叩いた瞬間にヘッドから手が離れている状態を心がけましょう

* バランスを失わないコツ

Tarは片手で持つのが基本ですしかし初めたばかりの頃は指先に力が入ってあまり良い音がしませんそんな時は左手の上に太鼓を立ててのせ倒れないようにバランスを取りながら軽く指先で叩いてみましょう太鼓が倒れなくなったら初心者は卒業です

* スピードよりも正確さ

初めはゆっくりとしたテンポで同じ位置を叩く練習をしますできるようになったら次に音を良く聴きながら同じ音が出るように叩く練習をします常に同じテンポとリズムを心がけることが大切です

* 質問:ベンディールの響き線・音について

モロッコのフレームドラム『ベンディール』は、響き線という透明のピアノ 線が太鼓の皮の上に張られており、その響き線がねじによって締めたり緩めたりでき るようになっているようですが、太鼓の面を叩くとその振動でその響き線が皮に触れる音が、割れるような、鋭い葉笛のような音をたてます。こういう音はこのベンディール特有 の音なのでしょうか?響き線という名 がついているので、確かに「響いている」とは思うのですが、割れたような音で、想像していたものと違ったので、ご存知の方にお伺いできればと思い、質問させていただきました。ご回答を宜しくお願いいたします。

* 回答:ベンディールについて

響線の代わりに鈴やミニシンバルがついているものもあります。これらは踊りの伴奏などに良く使われ、金属特有の高音はリズム全体をリードするのに使われています。ご質問にありましたベンディールは、現在はご存知のように「さわり」つまり弦の張りを調節してスネアドラムのように音色を変えるためのものと考えられます。さて「本来の音」についてですが、歴史的経緯から見ると、少し違うものであったように思います。理由として、以下の点が考えられます。1.響弦は通常1〜2本2.ガット弦が多く使われる3.太鼓枠の直径に貼られる音色を変化するだけなら、スネアのように弦数を多くした方が効果的と考えられます。また共鳴弦としては、鉄の弦の方が振動しやすいように思います。こうした発音の原理構造を持つものはペルシアのラバーブやインドのタンプーラの弦駒に見られます。加えて複弦特有の音色はアラブのウードに良く見られます。さらに直径に貼られる点を併せると、これらは太鼓の倍音の強調と持続音を出すためとおそらくは指で弾いた可能性も考えられます。参考までに、枠太鼓は分類学上は膜鳴楽器と呼ばれ、他の打楽器とは少し違う歴史的背景を持っています。現在ではどの太鼓も同じような奏法や打法を用いて演奏しますが、あるいはひょっとしたら昔は全く違う叩き方であったのかもしれません


Copyright©Hand Drum Masters.All rights reserved.タールブック [Back]